離婚を切り出すのは準備をしてから

相手に離婚の意思を伝える前にしなくてはならないことをお教えします。

相手の財産を確認する。

離婚の話になると、慰謝料や財産分与の話合いが行われます。
しかし、相手に資産がなければそれは絵に描いた餅に過ぎません。
とくに、財産分与の場合には、財産がなければ発生することないものなので、
請求されたくない場合には財産隠匿は常套手段となります。

これを防ぐには、前もって仲のよい? 内に相手の資産をそれとなく調べ上げる必要があります。

浮気の証拠を掴む

もし、離婚の原因が浮気であったら、その証拠を掴んでおかなければなりません。
離婚の原因が浮気であれば、浮気に基づき慰謝料の請求が可能です。

浮気の証拠もないのに「浮気してるでしょ?離婚して!」といったところで、
相手は浮気がばれないように証拠隠滅をするだけです。

証拠がなければ、裁判離婚でも慰謝料の請求はできず、また離婚が認めれれることも
難しくなってしまいます。

浮気を理由とする離婚にはまず、浮気に気づかぬ振りをしながら浮気の証拠を掴むことです。

離婚のときに行う不動産の名義変更は離婚前に行う!

離婚前と、離婚後に行う不動産の贈与(名義変更)では、税金が違います。

簡単に言えば、「夫婦間で不動産の名義変更をする場合には税金をおまけしますよ」という制度です。
離婚後では、元夫婦というだけで全くの他人ですから、この制度は適用できません。

だからこそ、離婚前に名義変更をする必要があります。

この制度の具体的な内容は、

婚姻期間が20年以上
離婚前に住んでいる不動産を譲渡
受け取る側が引き続き住む場合

の3つの要件を備えれば、2110万円まで贈与税が非課税扱いになるというものです。
贈与税が非課税になるものなので、そもそも贈与税がかからない財産分与に該当する場合には、
この制度を利用することはありません。

参考までに、譲渡税は30~50%で譲渡所得税は10~20%となります。
したがって、節税対策として贈与税を主に考えなくてはなりません。

*譲渡所得税とは、不動産で得た利益に対する税金のことです。
離婚と譲渡所得l

 

相手が障害を負っていると年金の分割が出来ない!

第2号被保険者であるほうが障害者として障害厚生年金・障害共済年金をもらっている場合には、
年金分割(3号分割)が出来ないことになっています。

障害厚生年金・障害共済年金をもらっている方から年金を強制的に分割ができる3号分割は、
生活保障をしている障害年金の役割を考えると適当でないとの考えからです。

逆に言えば、合意の元に行われる「離婚分割」では障害厚生年金・障害共済年金受給者からでも
年金を分割してもらうことが出来ます。合意の下や裁判所を通じて行われる年金分割によって不測事態はおきないと考えられているからです。

また、年金を分割してもらう側が(多くの場合は妻)障害厚生年金・障害共済年金の受給者であっても
3号分割をすることに問題はありません。

 

年金っていくらもらえるの? ~年金の支給金額

年金の支給金額は、支払った保険料と支払い期間によって変わってきます。
定額の国民年金は計算しやすいですが、厚生年金などの場合はやや複雑です。

国民年金の支給金額

国民年金の支給金額を計算する即算式を説明します。

「2万円×保険料納付年数」

例えば、25年の間保険料を支払っていた場合には、2万円×25年で、
年間50万円の年金が支給されると計算されます。

厚生年金・共済年金の支給金額

北村式年金見込み額簡易計算式を説明します。

「5500円×保険料納付年数×(平均年収÷100)」

例えば、平均年収500万の方が20年間保険料を納付したとすると、
5500円×20年間×(500万÷100)で、年間55万円が支給されると計算されます。

厚生年金・共済年金が支給される場合には、国民年金も支給されるので、
この55万円には国民年金の支給額を足して最終的な支給額を求めます。

*この計算式はあくまでも概算です。

年金の受給資格期間が足りないときは?

年金の受給資格を得るためには、年金を25年間支払っていないといけません。
受給資格が無ければ年金分割をしても年金が受給されないので、受給資格期間が足りない人は各種特例等を利用したいです。

生年月日による特例

生年月日が昭和5年4月1日以前の方は、年金を支払う期間が25年ではなく、
生年月日に応じて段階的に21年~24年に短縮されます。

厚生年金の加入期間の特例

生年月日が昭和26年4月1日以前の方で、男性は40歳以上女性は35歳以上で厚生年金に15年以上加入していれば、年金を支払う期間が25年ではなく、15年~19年に短縮されます。

厚生年金に限った特例で「中高年齢者の短縮特例」と呼ばれるもので、
共済年金加入者には適用されません。

厚生年金・共済年金の加入期間の特例

生年月日が昭和31年4月1日以前の方で、厚生年金・共済年金に20年以上加入をしていれば、
生年月日に応じて年金を支払う期間が25年ではなく20年から24年に短縮されます。

年金分割をしたとしてもいつから年金は受け取れる?

年金分割の有無にかかわらず、その人の生年月日によって年金受給時期は変わってきます。

年金を受給するには25年間の間、年金保険料を支払ったという年金資格期間を満たした上で、
年金受給年齢に達していないといけません。

そして、厚生年金や共済年金に加入している方は、60歳から年金の受給が可能です。
しかし、男性では昭和36年4月2日以降、女性では昭和41年4月2日以降に生まれた方は、
年金の受給か時期が65歳からになります。

基礎年金については、65歳からですが、本人が希望すれば60歳から64歳の間に繰り上げて受給することも出来ますが、その分受給金額が減り、その減った分は生涯を通じて適用されるので慎重な判断が必要です。

離婚と年金分割の相談 ~2008年からの新制度 分割合意が不要に~

離婚時に年金分割ができるのは2007年4月からの制度ですが、2008年4月からはもっと大きな変化があります。

合意が要らない新制度

2008年4月からは年金分割については、新しい制度になります。夫婦間で合意や裁判を行わなくても、社会保険事務所に届け出ることだけで年金分割ができます。

新制度の条件

2008年4月以前は、年金分割の条件として夫婦の合意または裁判所の決定が必要でした。2008年4月からはこれらが必要なくなるということです。ただし、条件があります。それは2008年4月以降に支払っていた厚生年金部分のみがこの新制度の分割対象になるということです。

ですから、2008年4月を待って離婚をしても、意味がありません。対象が2008年4月以降だからです。強いて言えば、2009年4月に離婚をすれば、新制度によって一年分の年金分割が可能です。2008年4月以前部分については、従来どおりに合意や裁判所の決定が必要です。

年金分割の請求はいつまでできる? 年金分割の時効

当事務所では年金分割は原則として離婚前に行うことを勧めています。しかし、どうしても都合が合わない場合には離婚後に年金分割を行うことも可能です。

年金分割の請求の時効(請求の期限)

年金の分割請求は離婚後2年が経つまで可能です。離婚前に年金分割について決め忘れた場合や離婚時に年金分割の合意にいたらなかった場合は、離婚後の2年間で話し合いを進めることが可能です。

時効期限が迫ったら

話し合いが中々進まずに年金分割の請求時効の期限が迫ったとします。そのときは、調停等の裁判手続きを利用します。調停等を利用すると、調停の成立翌日から1ヶ月が経過するまで、年金分割の時効が延期されます。時効期限が迫っているからといって、不利な内容で年金分割の合意をしてはいけません。調停とは、家庭裁判所に申し立てるもので、第三者を交えて話し合いを行います。調停は裁判ではありません。

年金の分割割合が決まったら? 年金分割の手続き

互いの話合いで年金分割の割合が決まったら、社会保険庁へ・・・ という行動の前に、大事な作業が残っています。それは公正証書を作成することです。

公正証書を社会保険事務所に持参する

年金分割についての合意ができたら、次に行うのは年金分割の手続きです。分割割合についての合意内容を公正証書にして社会保険事務所に持参します。以上で手続きは終了します。

裁判の場合には公正証書は要らない

年金分割を裁判で決めた場合には、裁判所で年金分割についての書面を作成してもらうので、これを公正証書の変わりにして社会保険事務所に持参し届出をします。公正証書は必要ありません。

 

公正証書を作成する場合には、せっかくなので慰謝料や財産分与、未成年者がいる場合には面接交渉権についても作成をしておくほうがよいでしょう。離婚協議書を作成し公正証書にしますが、当事務所では離婚協議書の作成のご依頼を受付けております。

公務員の場合は? 国家公務員共済組合の場合

夫が厚生年金の場合には、離婚の際には問題なく年金分割ができます。では、夫が公務員などで国家公務慰安共済組合の場合にはどうでしょうか?

結論から言うと、まったく問題ありません。厚生年金と同様に分割ができます。ただし、厚生年金では社会保険事務所が窓口となっていましたが、国家公務員共済組合では国家公務員共済組合連合会などが窓口になりますのでお気を付けください。

 

窓口が違うだけでほかに違いはありません。