日本の離婚原因は性格の不一致によるものが一番多いです。ただし、強制的に裁判で離婚を成立させるためには性格の不一致だけでは離婚ができません。
そもそも、性格の不一致による離婚が認められるには、離婚原因の「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するかという点が重要視されます。つまり、性格に不一致が今後の婚姻を継続して行く上で大きな障害となることが必要です。
大きな障害であるかを判断するには、夫婦生活が回復できないくらいに破綻しているか? 夫婦関係を継続するために十分な話合いなどの努力をしたか? といった2点が最も重要なポイントです。
判例には、数年間別居していたのにもかかわらず、その間、お互いを理解し分かち合う努力をしなかったという理由で離婚を認めなかったものがあります。つまり、話し合えば夫婦関係が回復する余地があるから離婚を認めなかったということです。
逆に離婚を認めた判例は、夫はいわゆる高水準な生活を望み卑俗なものを嫌悪する性格であり、妻は平凡な生活で満足し知的なものに対する憧れも少ない性格であって、10年間の別居期間があり、夫婦間の人生観や生活観に大きな隔たりがあることは否めないと離婚を認めたものがあります。