夫婦の性生活は、婚姻を継続してゆく上では欠かす事のできないものとして考えられています。性生活に支障があれば、法定事由の「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当します。
つまり、性の不一致を理由としての離婚請求は認められる傾向にあります。しかし、性生活の障害といっても色々あるので、考えられるものをここで挙げてみます。
性交渉の拒否(セックスレス)
性に対しての欲求は夫婦個人によって異なります。セックスを求める頻度や様態などは異なって当然でしょう。望まないセックスであれば拒否もできます。しかし、夫婦である以上は、セックスを行うのは当たり前であり、それを正当な理由なく拒否する場合には、慰謝料を請求された挙句に離婚が認められます。
セックスができるのにもかかわらず、セックスを拒否することは離婚原因になります。
異常な性交渉(性的変態)
配偶者が望まない生体用であれば離婚が認められます。過去の判例では、性交渉中に靴を履かせる趣味を持つ場合に、その行為は異常という事で離婚を認めた例があります。
性交不能
インポテツでセックスが不能の場合ですが、妻が健康でセックスを行いたいと考えているのにセックスができないことは、妻の正常な性的自己実現を侵害し、婚姻を継続しがたい重大な事由にあたると考えられます。
交通事故などで、望まない性的不能状態になってしまった夫に対しても、離婚の請求はできると考えられます。
不妊
不妊を直接の原因として離婚を請求した裁判例はありません。ですが、子を持ちたいと考える夫婦に、無精子病や子宮摘出などの原因がある場合には問題になります。「婚姻とは子を持つことである」と 婚姻=子を持つこと 重要視している場合には、婚姻を継続しがたい重大な事由に当たってしかるべきと考えます。