信仰と宗教の自由は憲法が認めています。だとすれば、夫婦間でも宗教の自由は尊重されるはずです。ですが、夫婦や子供に影響を及ぼすほどの宗教活動には問題があります。

宗教活動を問題として離婚が認められるのは、夫婦関係を壊す程度に宗教活動に熱中している場合です。この場合の離婚原因は「婚姻を継続しがたい重大な事由」ということになります。

大抵の場合、宗教が原因で離婚問題になる場合には、週宗教活動そのものよりも、それに派生する理由が問題になることが多いです。例えば、宗教活動に熱中するあまり家事を全くしないとか、布教の為に幼い子供を連れ歩くなどをした場合です。

裁判所は「夫婦及び家族間の関係が円満に行くように努力し、いき過ぎは慎むべきであり~~夫婦間の協力扶助義務に反している」場合に離婚を認めると言っています。

つまり「宗教活動=離婚」の式が成り立つ場合のポイントは、宗教活動が家庭の支障になるかです。

判例

■離婚を認めた判例

宗教活動の為に留守がちになり、正月などの習俗的慣習も行わなくなり、家庭の安息が失われたケースで離婚を認めた。

■離婚を認めなかった判例

別居2年で、3人の子供は夫が育てており、妻は週3回の宗教活動に熱心になっていたが、妻が同居を条件に宗教活動を控えるつもりといったケースでは離婚を認めなかった。